議会報告
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2002年9月
議案: 第50~80号議案31件(第70~80号議案は平成13年度一般会計・特別会計の決算認定で閉会中の決算審査特別委員会に付託)/報告:2件/請願:1件(前定例会からの継続審査案件)/意見書:1件
※他の議案は教育委員会委員の任命、公平委員会委員の任命、自治功労表彰、国民健康保険条例の一部改正、特別会計の平成13年度決算確定による補正予算などである。
(お願い:この記録は進藤ひろゆき・一般質問の全文です。進藤ひろゆきの「想い」を皆様に少しでもリアルにお伝えできればと、文言もできるだけそのまま掲載していますが、長岡京市議会の公式記録ではありません。どうぞ予めご了承ください。)
それでは、通告に従いまして、大きく4項目について、合計10点の質問をさせていただきます。
まず、1番目は「通学路の安全確保について」です。
先の平成14年第2回議会定例会での福島議員の「通学路の児童の安全確保について」の質問に対して、通学路の「児童の安全対策を講じるには、物的、人的に見て、学校だけでは無理な点もあり、今後も引き続き関係機関や地域保護者の御理解と御協力をお願いする次第です」との答弁がありました。確かに、学校だけでは無理があるため登校時の通学路の安全確保については、保護者の方々に協力をお願いしているのが現状です。その通学路の安全確保に協力いただいている保護者の方々から出された通学路の安全点検による改善要望が、6月に学校を通じて教育委員会へ出された後、7月には関係機関との協議を実施して、9月には現地の実態調査を終えて状況を把握し、12月に当該校への要望事項の回答を行っているとの答弁もありましたが、改善要望に対して前向きな努力はされているのでしょうか。また、「改善できない」という回答については、改善できない理由も明確にして併記していなければ、学校側としても毎年同じ内容の要望を繰り返し出すという状況になると思われます。
次に、内閣府に設置された総合規制改革会議より、平成13年12月11日に出された「規制改革の推進に関する第1次答申」に対して、「規制改革推進三カ年計画」が改訂され、平成14年3月29日に閣議決定されたのは周知のとおりであります。その「規制改革推進三カ年計画(改訂)」の“(6)初等中等教育における評価と選択の促進”の中に、「学校教育に対する社会的なニーズの多様化に対応し、公立学校システムの多様化と質向上を推し進めるためには、公立学校間の特色が比較され、保護者や児童生徒によって学校が選ばれる環境を作り出すことも一つの重要な方法であ」り、「保護者や児童生徒の希望に基づく就学校の選択を適切に促進する観点から、各市町村教育委員会判断により学校選択性を導入できることを明確にし、さらに学校選択性を導入した市町村にあっては、あらかじめ選択できる学校の名称を保護者や児童生徒に示し、その中から就学する学校を選択するための手続等を明確にするような観点から、関係法令を見直す」という、”学校選択制度の導入推進”を平成14年度中に措置していくことが記されております。この長岡京市におきましても、昨年設置された「長岡京市立学校通学区域審議会」の委員会で、平成17年度から長岡京市内全域での学校選択性導入を提言する報告を8月19日付けでまとめられました。これから通学区域審議会での検討を続け、年内に教育委員会への答申となる予定ですので、委員会報告の内容のまま審議会としての答申になるかどうかは、まだ分かりませんが、この意見書の内容のまま審議会としての答申がなされ、長岡京市内全域での学校選択性が導入されるとすれば、市道0201号線の通学時における安全確保という課題が記憶に新しいところですが、どのように市内全域の通学路の安全を確保するかが大きな課題であると考えます。
これらのことを踏まえて、子どもたちが活き活きと楽しく歩ける通学路を市内全域に早期に整備されることを願い、3つの質問をさせていただきます。
【1】 保護者の方々の安全点検によって抽出された危険箇所に対して、具体的に改善された点にはどのようなものがどれくらいあるのでしょうか。また、改善された点については、速やかに学校側に報告されているのでしょうか。
【2】 その抽出された危険箇所に対して、改善できない場合は、その理由について学校側に十分な説明をされているのでしょうか。
【3】 長岡京市内全域の小・中学校の通学路における安全確保についてどのように考えておられるのか。また、これから具体的にどう取り組まれていくのか答弁をお願いいたします。
次に、2番目の「人員計画について」であります。
平成13年第1回議会定例会において私の先輩であります三輪前議員が「H19対策プロジェクトを問う」というテーマで質問をいたしました。その質問で、長岡京市職員の年齢別分布からいくと、平成19年度から5年間で220名近い方が定年退職を迎えることになり、当時の広報ながおかきょうに掲載されていた平均の退職金2,000万円を一人の退職者に支払うとすれば、5年間に44億円が必要になることと、これだけたくさんの人がいなくなったら、長岡京市の事務事業がどうなるのかという問題に対する対策として、長岡京市の平成19年対策、つまりH19対策プロジェクトを立ち上げるべきだと提言をされました。この質問に対して、「平成19年度から団塊の世代が定年を迎え、その後、5年間で約220名の職員が退職し、それにより、退職手当の支払額が毎年多額になり、計画どおりの積み立てができなければ、退職手当積立基金が底をつくことが予測され、」「今後の経済情勢にも影響を受けますが、基金の積立状況とは別の観点から、若手職員を含めた対策検討チームを立ち上げ、検討してまいりたい」との答弁がなされました。しかしながら、このときの答弁は退職手当の対策内容であり、これだけたくさんの職員がいなくなったときに長岡京市の事務事業はどうなるのかという問いに対する答弁はありませんでした。民間企業では、年度の事業計画を達成するために必要な人・物・金は、その事業計画の事業量に応じ必然的に計算されて出てきます。そして特に、人に関しては、現在の人員と年齢別分布からこれから定年退職される方の人員を考慮して、これからの中期や長期事業計画を達成するために必要な人員を確保できるように、各年度で採用する人員を計画しています。行政が遂行する事務事業では民間企業の様に必要人員を計算することは難しいことだとは思いますが、住み続けていきたい長岡京市を実現する長岡京市第3次総合計画を実行していくためには、中・長期的な人員計画を作成することが必要不可欠なものであると認識いたします。ここでは2つ質問をいたします。
【4】 平成13年第1回議会定例会にて答弁がありました、この平成19年問題に対する若手職員を含めた検討チームは結成をされたのでしょうか。
【5】 平成19年度以降の市役所における様々な事務事業を滞らせることないように、再任用職員も含めたこれからの人員計画については作成されているのでしょうか。教えてください。
3番目は「産業振興について」であります。
長岡京市の法人市民税は決算ベースで平成元年度の30.2億円をピークに減少を続け、平成11年度には9.4億円を底にしてから現在10億円から12億円程度の状況になっていることは、周知のとおりであります。また、少し古い数値ですが、6月の全国の完全失業率は5.4%、近畿地方での完全失業率は6.5%と、依然高い数値のままとなっています。このような厳しい経済環境の中ですが、地域の産業振興を目指し、独自の施策をとられている自治体があります。例をあげますと、これは県単位での施策ですが、滋賀県におきましては独創的な技術を有する方に、その研究開発の成果を利用して新製品の試作や製造に係る技術の開発および改良を行うことを支援することにより、県内産業の振興を図るために工場施設を賃貸するために平成13年3月に設立された滋賀県立テクノファクトリーがあります。また、群馬県の前橋市では、ここへは会派のフォーラム21で秋に研修をしてまいりたいと考えておりますが、前橋市または前橋工業団地造成組合から取得した事業所の用に供する土地の購入価額に対して、最大1億円の範囲でその10%を助成する用地取得助成金、水道の使用を開始した月から3年分の水道料金のうち、開始した月から1年分ごとを単位として、それぞれの額の1年分につき100万円を限度として30%を助成する水道料金助成金、また、事業所の事業開始の日において常時使用する従業員を新規雇用した場合には、その雇用者のうち市規則で定めるものの人数に10万円を乗じた金額を最大200万円まで助成する雇用促進助成金など5種類の助成金の交付などの優遇措置を行う「前橋市企業誘致条例」が今年の4月1日より施行されています。私は、3月に行われました平成14年度予算審査特別委員会小委員会の総括質疑においても産業振興に関して質問をさせていただきました。長岡京市として法人市民税額の回復を目指した市独自の産業振興施策の検討として何かなされてきましたかという問いに、市長から「平成14年4月1日から施行される京都府の”雇用の安定創出と地域経済の活性化を図るための企業の立地促進及び育成に関する条例”に関して、特にJR以東の工業系の用途地域内にものづくり産業の集積促進地域への指定について折衝しており、この府の条例とリンクをして本市独自の施策を考えられないか、内部的に検討をしている」との答弁をいただきました。ベンチャーマインドある方が長岡京市で事業展開したいと思っていただけるような施策がとられることを期待して、2点の質問をさせていただきます。
【6】 神足・勝竜寺・開田・調子地域が先のものづくり産業集積促進地域に指定された今、これまでの半年間でどのような検討がなされてきたのか教えてください。
【7】 今後長岡京市として、工業だけでなく、農業・商業も含めた産業全体においての産業振興施策を具体的にどのようにとっていこうと考えておられるか、お聞かせください。
最後に、4番目の「市民広報の充実について」であります。
広報のあり方については、今年の第1回議会定例会や、平成14年度予算審査特別委員会小委員会でも質問をし、考え方を確認させていただきました。それらの中で、「”市民の参画と協働によるまちづくり”を重要事項」として、「市民の方々が得たいと考えている情報を伝え、さらに行政と市民の双方向で交流を深めることが行政の重要な役割と認識」し、「お知らせの一方的な広報ではなく、市民の方々が市政全般に興味を持っていただき参画していただける双方向の広報にという考え方で編集していきたい」との答弁をいただきました。しかしながら、ある市民の方から広報ながおかきょうの5月1日号の特集でとりあげられた「京都第二外環状道路」と7月1日号および8月1日・15日合併号に記載された「住民基本台帳ネットワークシステム」についての質問が私に寄せられました。京都第二外環状道路では、「住民には道路の名称など知らない人が多く、市内のどこを通るのか地図で示すべきではないか」、「事業の流れ図のなかで、現在の進捗がどこかわかりにくい」、「専門用語を使わないで欲しい(例えば構造協議や住居系地域とは何か)」、「環境への影響に対して、市が国土交通省や京都府へどのように立ち向かっているのか一言の言及もない」などの質問があり、住民基本台帳ネットワークシステムでは、「新聞記事では今回の住民基本台帳ネットワークシステムに接続しない自治体がでているが、市長の見解はどうなのか」、「広報の紙面を読んでいると大丈夫だというが、長岡京市では具体的にどのような対策をしているのか」、などの質問がありました。専門用語などを使う場合は、欄外に専門用語の説明欄を設けるなどすればより分かりやすくなりますし、重要な課題に対しては市長コメントなど併載すれば、より行政の考え方が伝わることになると思います。これら2つの事例だけですが、現状の「広報ながおかきょう」は、特集での紙面レイアウトや構成などにかなりの工夫が見られるようになりましたが、まだまだ「お知らせ広報」になっているのではないでしょうか。まさに、今まちづくりの主体はそのまちの住民であり、まちづくりに参加するための、もちろんプライバシーの保護を逸脱しない範囲での、あらゆる情報の説明責任が行政に求められています。この長岡京市議会でもよく知られた、「もっと知りたい今年の仕事」という予算説明書を毎年発行されている北海道ニセコ町の逢坂町長が、学陽書房発行の「自治体再生へ舵をとれ」という本の中で、このようなことを言っておられました。
すこし長くなりますが引用させていただきます。
“自治の現場においても「自ら治める」という自治の本質に立ち返ることが必要です。自治の主体である住民が、地域社会や生活について、責任をもって自ら考え行動することが、自治の本質であり、「困ったら役所頼み」では、行政、財政、経済、金融、食料、社会保障、教育、環境など日本のあらゆる分野においての構造的改革は乗り越えては行けないのです。多くの食堂やレストランにはメニューがあります。お客さんはそのメニューを見て注文します。しかし、メニューのないレストランでは、何を注文すべきか判断がつきません。自分が食べたいものを勝手に頼んでも、用意している材料や料理人の得意分野と大きくかけ離れた、的外れな注文となることもあります。メニューのない食堂では、お任せ方式が多く、じつは、これまでの地域づくりは、このレストランに例えることができるのです。つまり地域の現状はどうなっているのか。課題は何か。他地域と比べて何に優劣があるのか。役所の職員や首長、議会の力量はどうなっているのかなど、ものごとを判断するための材料があまりにも少なすぎたのです。まさにメニューのない食堂がこれまでの自治だったのです。しかし、中央集権的な手法によってある一定程度の社会基盤が確立されたことと、地域課題が複雑化、重層化している今日は、お任せ料理だけでは地域に暮らす喜びや誇りは得られません。財政問題と景気対策に象徴されるように、個別の課題どうしが三竦み状態で、何かを解決すれば何かが悪化するという厳しい選択が多くなってきています。おまかせ民主主義では、こうした選択は難しく、無責任な批判だけが横行します。そこで地域の諸条件を知り、自分たちの適正な判断に基づいて、場合によっては自分たち自らが料理を作ることも必要なのです。こうすることで初めて、自分たちにとって厳しく嫌な判断も可能となります。つまり地域づくりや自治のためのメニューの存在が、社会性に根ざした自主性や自立性を育むこと、自ら考え行動するということを実現するのです。この自治のメニューは、入手可能な食材、経営状況、調理器具の現状、料理人の技量、他の食堂との比較、トップの経営方針など、広い範囲にわたります。この自治のメニューとは、地域を取り巻く現状、課題についての「情報」であり、この情報がなければ自治の本質の実現は不可能だとも言えます。”
そこで、長岡京市というレストランのメニューに今以上の多くの情報が掲載されることを願い、ここでは3つ質問をいたします。
【8】 市民の皆様とのコミュニケーションをより深めるために、他市でも既に行われているように、広報ながおかきょうに市役所宛か市長宛のご意見ハガキ、あるいは市政アンケートハガキなどを定期的に入れられてはいかがでしょうか。
【9】 市民の皆様からの貴重な御意見をもっといただくためにも広報の読者年齢層を低年齢層に広げ、向日市では別刷りですがこの8月から実施されている「子ども広報」のようなものを、広報ながおかきょうの紙面に掲載してはいかがでしょうか。
【10】 この号にはこのような特集や記事を載せようという、年間あるいは半年間周期の編集計画は作成されているのでしょうか。また、作成しているとすれば誰がその計画を承認されているのでしょうか。教えてください。
以上で1回目の質問を終わらせていただきます。
理事者の皆様におかれましては、明確なご答弁をお願いいたします。